地形学は、地表の形態(地形)がどのように形成されてきたのか、また将来どうなるのかについて科学的方法で研究する学問です。地形学のフィールドは高山から、河川、海岸、海底まで、極域から赤道域まで多岐にわたります。筑波大学地形学分野では、野外観測と室内実験によって地形の変化の過程(プロセス)を明らかにします。

 高波 紳太郎 (TAKANAMI Shintaro)

特任助教(奨励)(筑波大学 生命環境系)/Junior Assistant Professor (Faculty of Life and Environmental Sciences, University of Tsukuba)

E-mail: shintaro.takanami.gb"at"u.tsukuba.ac.jp ("at"をアットマークに置換)

研究テーマ /Topics

 台地(段丘)を対象として, 主に河川が形成する地形の成り立ちを研究しています.

  1. 大規模火砕流堆積後の河川地形 / Fluvial landforms on large-scale ignimbrites
    • 火砕流台地(シラス台地)の形成(主に九州)
    • 火砕流堆積物の再移動による段丘地形発達
  2. 岩盤河川侵食 / Bedrock erosion
    • 溶結凝灰岩からなる滝の形成・後退
  3. 台地上の微地形(凹地) 
    • 台地における窪地の分布(関東平野)

オフィスアワー

 事前に上記メールアドレスへご連絡ください. 木曜日と金曜日は比較的長く在室しています.

主な担当授業科目

地球学類
  • 決定次第, 追記予定

研究業績 /Articles

論文等(査読付)
1. 高波紳太郎 (2022) 後期更新世における肝属平野の地形発達 ─入戸火砕流堆積物下に埋没する阿多溶結凝灰岩台地の形成─. 地学雑誌, 131, 317-338.
2. 高波紳太郎 (2021) 沈堕滝(雄滝)の後退速度. 地理学評論Series A, 94, 45-63.
3. 高波紳太郎 (2019) 異なる時間スケールでみた阿多溶結凝灰岩における遷急点の後退速度. 地理学評論Series A, 92, 175-190.
4. 高波紳太郎 (2018) 大隅半島,阿多溶結凝灰岩における遷急点の形成と後退. 地形, 39, 99-118.
5. Yoshida, H., Hayakawa, Y. S., Takanami, S., Hikitsu, A., Ohsaka, S., Ishii, R. (2017) Geomorphic reconstruction of formation and recession processes of waterfalls of the Kaminokawa river basin on Osumi Peninsula, southern Kyushu, Japan. Geographical Research, 55, 424-437. doi.org/10.1111/1745-5871.12229
紀要・学会発表論文集等
 学会発表や執筆記事については, Researchmap(https://researchmap.jp/stk73)をご参照ください.
研究費獲得状況
  • 2024/4 - : 科学研究費 (若手研究) 「大規模火砕流が堆積した盆地における河川地形形成過程の解明」
  • 2019/4 - 2022/3 : 科学研究費 (特別研究員奨励費) 「日本列島における溶結凝灰岩台地の侵食史の復元」 
学位論文:博士(地理学)
    「九州におけるカルデラ形成噴火に伴う大規模火砕流堆積物からなる台地の形成過程に関する地形学的研究」(2022年3月, 明治大学)

略歴

  • 2013/4 - 2017/3 : 明治大学・文学部
  • 2017/4 - 2019/3 : 明治大学大学院・文学研究科
  • 2019/4 - 2022/3 : 明治大学大学院・文学研究科 , 日本学術振興会特別研究員 (DC1)
  • 2022/4 - 2025/3 : 明治大学・文学部 助教
  • 2025/4 - : 筑波大学・生命環境系 特任助教 (奨励) 

所属学会

日本地形学連合,日本地理学会,日本地球惑星科学連合, 東京地学協会

2024年度 地形学野外実験A

 11/5@大学(事前学習),11/28~30@三島~田方平野~伊豆東部火山群
2年生を中心に21名が参加しました。

河床の構成物を観察。三島は富士山の火山活動によってあちこちに岩が露出している面白い街です。

三島のあとは沼津に移動。翌日遡る狩野川の河口の地形を観察したあと少し歩いて浜へ。足下は小石,さっきと粒径が違いますよね。何ででしょう?
ここで初日は解散,おいしい魚のある沼津漁港周りで遊ぶのもどうぞご自由に。

2日目は田方平野を上流へと向かいながら狩野川の河川地形を観察していきます。朝に見た蛇行河川から扇状地河川になりました。後ろの山も特徴的,見所がたくさんあります。

最後に山の中の川も見てみましょう。天城火山の山腹になります。

表層にあったこれは何かな?

3日目,大室山周辺で火山地形を見学。
快晴ですが昨年度同様に強風でリフト運休。今年はそれも想定内で見るところを見て解散しました。
力作のレポートがいくつもあって引率した甲斐ありでした!

日本地形学連合2024年学術大会 学生発表賞受賞

  日本地形学連合2024年学術大会(11月2日~11月4日,鳥取県鳥取市)にて,山岳科学学位プログラム博士前期課程2年の高木 優さんが研究成果「スイスアルプスの地形図から求めた氷河平衡線高度とその支配要因の検討」を発表し,学生発表賞を受賞しました.

 高木さんは,スイスアルプスの地形図から個々の氷河の平衡線を読み取り,そのばらつきをコントロールする地形的要因を分析しています.

講演の様子

日本地形学連合の久保純子会長(左)から発表賞を受け取る高木さん(右)

写真はいずれも小倉拓郎(兵庫教育大)博士より提供を受けました.

新着論文:林床の地形計測を想定した低価格モバイルLiDARスキャナの運用に関する検証

髙木さんの卒業論文をベースとした論文が、地形に掲載されました。

  髙木 優・小倉拓郎・佐藤昌人・田村裕彦(2024)林床の地形計測を想定した低価格モバイルLiDARスキャナの運用に関する検証.地形, 45, 161-174.



大学院説明会2024

4月20日(地球)・および5月11日(研究群全体・山岳)に開催される大学院説明会の日時・場所等について,

地球科学学位プログラム
https://www.geoenv.tsukuba.ac.jp/exam.html

山岳科学学位プログラム
https://mountain-studies.tsukuba.ac.jp/admission/

をご参照ください。

参考:令和7年度(入学)大学院入試関係日

2023年度 地形学野外実験A

11/6@大学(事前学習),11/28@伊豆東部火山群,2/7-8@伊豆大島
2年生を中心に25名が参加しました。

まずは,溶岩の断面を観察中。
快晴ですが強風,このあと写真の溶岩の噴出元にある大室山に行きましたが,火口へ登るリフトは風のため運休。コロナ禍前はほぼ2年に一度,野外実験で訪れていましたが,運休は初体験です。さらに翌日,熱海から大島へ渡る予定でしたが,この日,強風で伊豆諸島航路は軒並み欠航。翌日・翌々日の欠航可能性大と船会社から連絡を受け,このときの大島は延期になりました。

2月7日,大島再チャレンジ・・のはずが,今度は早朝つくばからの鉄道が車両基地停電といった理由で運休。振替輸送では朝の船に間に合わず,午後便で大島へ。
天気に恵まれず行程を短縮することはありますが,他のケースは珍しいです。

大島2日目,やや足早に島を巡りました。
写真は火砕物の露頭観察。まずは各自スケッチをしてもらいます。


海岸で別の露頭を観察。他で見てきた露頭と何が違うか観察して,ということでTAさんにはヘルメットを被らせてスケールになってもらいます。
幸い,この日は波が穏やかで元町港出港だったので,少しだけ時間を稼げました。こんな年もあるんですね。

2023年度地形学野外実験B(山口県防府市・美祢市秋吉台)

 地形学野外実験B(3年生対象)を、2023年9月24日(日)〜26日(火)に開講しました(担当:八反地)。その様子の一部を写真でご紹介します。

初日は山口県防府市の花崗岩山地を訪問しました。
2009年に崩れた斜面は現在どうなっているのだろうか...

山へ登り、花崗岩の節理を観察しました。

一部の尾根では植生が薄く、過去の人間の影響が残っています。
他の山との違いを感じます。

2日目には、秋吉台でカルスト地形を観察しました。

石灰岩の溶食によって生じた溝を観察しました。

秋芳洞(鍾乳洞)を見学しました。

3日目には防府市で、土石流が発生した当時の状況を推定しながら歩きました。

 この記事では現地の様子のみ紹介しましたが、この授業(地形学野外実験B)では、受講者が関連する論文を調べて資料を作成し、現地で解説、現地討論を行う、アクティブラーニング形式により実施しています。
 2024年度は宮城県仙台市・丸森町での巡検を予定しています。

文責:八反地・梶田